昆布まるごと使いこなそう!

食について

前篇でマスターした「昆布だし」を、手軽でちょっと意外なレシピに活用してみませんか?だしをとった後の昆布も捨てずに再利用して、昆布まるごと味わいつくしてしまいましょう。

天然の昆布から出るだしの本当のおいしさ。そして昆布の品種によるだしの風味の違い。昆布に秘められた健康パワー。前篇の「昆布だしワークショップ」では、これまであまり気に留めることもなかった昆布の魅力に触れて、目からウロコがぽろぽろと落ちた私たち。せっかくなので、このだしのうまみを活かしたレシピはもちろんのこと、だしをとった後の昆布まで食べ尽くすお手軽レシピにトライしてみることに。作った料理は、「苦楽園こんぶ処永楽」の藤橋さんと一緒にワイワイいただきました。素材の味をやさしく引き立て、余分な味付けがいらないシンプルでおいしいメニュー、産前産後におすすめです!

教えてくれる人 藤橋健太郎さん 苦楽園こんぶ処永楽(兵庫県西宮市)ご主人

祖父の代から続く商いを受け継ぎ、保存料・着色料・化学調味料を一切加えない汐昆布をはじめ、安心安全なものづくりに取り組む若手三代目。だしソムリエの資格を持ち、昆布だしのうまみを広く知ってもらうためのワークショップ活動も精力的に行っている。プライベートでは3人の男の子のパパ。

http://www.eiraku-konbu.co.jp/

藤橋健太郎さん

心とからだにじんわり、だしのうまみを楽しむこんなレシピはいかが?

前回、藤橋さんからのレクチャーで、超カンタン手軽な「水出し昆布だし」を覚えた私たち。4種の昆布だしを飲み比べてみた時の印象から、合わせる食材のイメージをふくらませ、作ってみたのがこちら!かつお節やいりこなどの動物性のだし素材に比べると、主張は控えめな昆布ですが、いろんな食材と合わせてみると、その懐の深さに改めて感心。食材の持ち味をじゃませず引き出し、心とからだにじんわり沁みるような、やさしいおいしさができました。レシピごとにおすすめの昆布品種を書いてみましたが、これはあくまで好き好きで。ぜひいろんな昆布品種を買って、試して、お好みの味を見つけてくださいね。

冷茶ポットに水1リットルあたり約20g の昆布を入れて約8時間冷蔵庫に入れておくだけでおいしいだしのできあがり!

だしがスタンバイしている状態で料理が始められるのは、とってもラクなんです。

しょうがをきかせたあっさりそぼろあんが、甘い玉ねぎにぴったり。
そぼろあんを上手に作る意外なコツも、一緒にマスターしちゃいましょう。

いやあ~、これは僕たちも発見レシピでした。これまで鶏そぼろあんっていつも昆布とかつおの合わせだしで作ってたんですが、むしろ昆布だしだけの方が鶏の風味をじゃましないし、合うんじゃないか?って。
ひたひたの昆布だしで玉ねぎがやわらかくなるまで、気長に(50分ぐらい)煮ますが、急ぐときは圧力鍋でも。おもりが揺れたらすぐ火を止めるぐらいでOKです。


たしかに、かつおだしのあんだと、まずかつおの香りがぷーんと立ちますもんね。昆布だしが、玉ねぎの甘みや鶏ひき肉の風味を引き立ててますね~。

近ごろ人気の、夏野菜入り冷やしおでんを昆布だしと塩だけで!
冷蔵庫に作りおいておけば、疲れて帰ってきた日のお助けメニューに。

冷やしおでんなんて、初めていただきました! 暑い季節にいいですね。
実は僕、生のトマトが苦手なんですが、このトマトは昆布だし風味が沁みてるせいかぜんぜん抵抗なく食べられてびっくり! 昆布とトマトのうまみって、同じグルタミン酸だから相性がいいのかな。

夏野菜を入れたさっぱり冷やしおでんは、最近人気なんです。
煮汁は、昆布だしと塩だけ! しょうゆもみりんも入れていないので、風味のしっかりした羅臼のだしはよく合いますね。煮上がってからひと晩ぐらい冷蔵庫で寝かせておくと、だしが沁みて食べごろになりますよ。おまけに生のトマトから酸味が溶け出してだしに混じって、なんともいえない爽やかな風味が生まれるんです。

最後にひとふりするオリーブオイルと粉チーズ、黒こしょうが
ぎゅっと全体をひきしめて、しゃれた一品に。

野菜を炒める時に、最初に塩を振って、野菜の余分な水分を出しながらじっくりうまみを引き出すといいですよ。ミネストローネって普通はベーコンやブイヨンなど動物性のうまみで作りますが、これはすべて植物性のものばかりなので、煮込みながら鍋をのぞくときの香りが全然違ってて、なんだか新鮮でした。

すごくあっさりやさしい味なんですが、オリーブオイルと粉チーズと黒こしょうの洋風なアクセントがすごく合ってる!豆腐を合わせるのも意外でしたけど、これがまた見た目的にも味わい的にもいいバランスで、子どもたちも喜びそうですね。

煮汁たっぷりで作って、和風シチューのように食べたい肉じゃが。
ほんのり甘い煮汁と具がからみあうアツアツをどうぞ。

このおつゆ、甘くてコクがあって、思わず飲み干してしまう感じ(笑)。隠し味の味噌や豚肉のうまみが溶け込んでるんですね。レシピを見てるだけでは想像できなかった味わいです!

豆乳は最後の仕上げの段階で入れて、さっと熱してすぐ火を止めてくださいね。いつも冷蔵庫にありそうな食材で、ぱぱっとできる変わり肉じゃがです。昆布だしベースのおだやかな風味には、やっぱり牛肉じゃなくて豚肉が合いますね。この煮汁に、じゃがいもがほっこり煮崩れかけてからんだところが、好きなんです~。

だしをとった昆布も捨てないで!「 2度おいしい」を楽しむレシピ。

天然昆布なら、8時間水出しをして取り出した後も、まだまだうまみがたっぷり。これを捨てるのはもったいない! 佃煮にしたり五目豆に入れて炊いたりするのはおなじみですが、毎回それでは飽きてしまいそうなので、「月とみのり」風にちょっとひと工夫してみました。とくに昆布はデトックス効果の高い水溶性食物繊維をはじめ、カルシウム、マグネシウム、カリウムといった現代人に不足しがちな栄養素を含んだ食材ですから、ふだんのごはんに意識して取り入れたいですね。

だしをとった後の昆布。すぐに使わない時はラップに包みジッパー付ポリ袋に入れて冷凍庫へ。

食物繊維やミネラル豊富な健康優良食材ですから、ちゃっかり再利用して食卓に一品プラスしちゃいましょう。

昆布とかつおで合わせだしをとったら、そのだしがらが炊き込みごはんの具に!
歯ごたえ豊かで、噛みしめるほどにしみじみする味です。

これは、うちの育休中スタッフが教えてくれたレシピなんですが、作ってみて納得のおいしさ! そもそも昆布もかつおも、二番だしがとれるぐらいですから、こうやって使えばまだまだいい味が出ます♪

すべて捨てずに余さず使い切る、ってところに愛情を感じます! とにかく切って炊飯器に放り込んでスイッチを入れるだけですから、佃煮とか作るのはちょっとハードルが高い…と感じる人には、まずこれをおすすめしたいですね。

昆布とじゃことごまでミネラル補給!
梅や大葉のさっぱり風味も効いて、つい手が伸びます。

炊き込みごはん第2弾! 昆布の歯ごたえやごまのプチプチした食感が入り混じって、食欲がわいてきそうです。おにぎりにしてラップで包んで冷凍しておけば、レンジでチンするだけでホカホカが食べられるので、時間がない時や疲れた時のお助けメニューとして大活躍。時間がある時に多めに作っておくといいですよ。

なるほど! おにぎりだと小さい子どもも喜んで食べるし、ぜひうちでもやりたいです。白いごはんに合いそうなテッパンなものばかりだから、これも間違いなくおいしい!
(笑)

買い置きの乾物でできる、ごはんのおとも。
しっかり噛んで、和の滋味を味わいましょう。

これぞ日本のおばあちゃんの味! しみじみ懐かしい味がします。切り干し大根のシャキシャキした歯ごたえを残してるところが、いいですね!
(笑)

冷蔵庫に入れておけば3日ほどはおいしく食べられますから、ちょっと一品足りないな、という時にも役立ちます。煮干しは小さめのものを選ぶと、丸ごと食べられておすすめですよ。昆布と合わせだしをとった後の煮干しを使ってもいいかもしれませんね!

牛肉とごぼうで作る「八幡巻」をアレンジ!
豚肉に負けない昆布のうまみが新鮮です。

いつもは目立たない脇役の昆布がセンターに!そのことだけでも感激でしたが、食べてみてさらにびっくり! 噛めば噛むほど昆布の味が出て、しっかり主張してますね。
(笑)

だしをとった後もこんなにうまみが残ってるなんて、やっぱりさすが天然昆布のパワーです。昆布を刻んで豚肉や野菜と炒め合わせるのでもおいしいのですが、こんな風に巻いてみると、ちょっと目先が変わって新鮮ですよね。

「月とみのり」が「こんぶ処永楽」さんと一緒に昆布の魅力をお伝えした前篇と後篇。いかがでしたか? 昆布という食材に、こんなふうに取り組むなんて私たちにとっても初めての経験で、発見がいっぱいでした。2回に渡ってお付き合いくださった、永楽の藤橋さんに感謝。日本が世界に誇るうまみのもと「昆布」、もっと楽しんでいきたいですね。からだにおいしくやさしい昆布だしや昆布のおかず、みなさんのおうちでもぜひ定番となりますように。

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