「マタニティブルー」と「産後うつ」の違い、乗り切る方法

月とみのりアンテナ

赤ちゃんとの毎日は嬉しいはずなのに、イライラや不安が止まらない、眠れない、気づくと涙が…これって産後うつ?その見分け方とつらい時期を乗り切る方法を伝授!

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産前に、出産のことをあれこれ考えて緊張してしまったり、子育を不安に感じたり。
または出産後、眠れない毎日で初めての育児にあたふた、気持ちが滅入ってしまう…
そんなマタニティブルーの最中はつらいもの。これが産後うつ?なんて悩む人もいるかもしれませんが、マタニティブルーは多くの人が陥る状況です。

マタニティーブルーは出産経験者の約30%から50%の方が経験するもので、決して病気ではありません。マタニティーブルーは出産して3日目から10日くらいに症状が出ることが多いですが、たいていの場合には約2週間で自然に改善します
産育食ラボvol.13 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<前編>

産婦の約半数がマタニティブルーに。誰がなっても、全くおかしくありませんね。
では、「産後うつ」との違いは何かというと…

出産後1カ月ほどしてから、不眠や気分障害、食欲不振などのうつ症状が出る疾患です
産育食ラボvol.13 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<前編>

マタニティブルーが自然に治っていくのに対し、症状が長く続き改善の様子が見られない場合は産後うつの可能性もあります
産育食ラボvol.13 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<前編>

見分けるポイントは「出産後1ヶ月くらいから」という時期や、長く続くこと。
でも、生後間もない赤ちゃんがいる人ならほとんど眠れないし、まだお世話や授乳に不慣れなら気分が落ち込むこともあるもの。
睡眠不足なら食欲がわかなくても、おかしくないような気がします。

だからといって放っておくのはNG。
なぜなら、もしも産後うつなら本人がつらいだけでなく、赤ちゃんに影響があるからです。

イギリスで行われた調査によると、母親が産後うつを経験した場合、その子どもが16歳までにうつ症状を示す割合は40%にも上るそうです
産育食ラボvol.13 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<前編>

産後1か月経っているし、これって産後うつ?
妊娠中だけど、マタニティブルー?それとも、もしかして…?
と疑う気持ちがあれば、すぐに医療機関で相談してみましょう。
医療機関を探す余裕すらないという場合は、まずは出産した病院や自治体の相談窓口などに聞いてみても良いでしょう。
また、育児サークルなどに参加して悩みを打ち明け合ってみるのも気軽でストレス発散になるかもしれません。
「これくらい」と我慢してますますひどくなる前に、早めに行動が安心ですね。
DSC_0104普段できることで産後うつを防いだり、少しでも低減できることはないのでしょうか?「産育食ラボvol.14 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<後編>」から探してみましょう。
ポイントは二つ、「食べ物」と「睡眠」です。

食べ物

これをしっかりとっていた妊婦さんはうつ症状になる割合が低いことがわかりました。
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<カルシウム>
乳製品に多く含まれますが、特にヨーグルトがGOOD。

<ビタミンD>
<DHAおよびEPAなどのオメガ3脂肪酸>
<タンパク質>
<ビタミンB6>
これらは気分が安定してリラックスするのに必要な物質「セロトニン」の構成や働きを促してくれます。
DHAやEPAは魚に含まれることが多いもの。
タンパク質はトリプトファンを多く含むもの、特に大豆製品、乳製品、ナッツ類、かつお節など。
ビタミンB6は小麦や小芋に含まれます。

<鉄>
産後うつの症状が軽減することがわかっています。

これらはどれも、赤ちゃんにとって必要な栄養ばかり。加えて、妊娠期に乱れた食生活を送っている方は、ストレスを抱えやすいのだそう。
バランスの良い食事はおかあさんと赤ちゃんの体だけでなく、気分の安定にも役立つんですね!

 

睡眠

妊娠中や出産後、眠れない人は決して珍しくありません。

妊娠32週目の妊婦さん達、そして出産後8週間のおかあさん達のどちらでも、約60%の方が不眠
産育食ラボvol.14 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<後編>

半数以上の人が不眠。でも実は、長引く不眠はうつを招きやすいとされています。
不眠をやわらげるためには、上に出てきた「セロトニン」が役立ちます。

セロトニンから合成される「メラトニン」というホルモンは、「眠気」を促す作用があるのです。セロトニンは朝、太陽の光を浴びることで体内で合成されます。反対にメラトニンは夜暗くなってから合成されます
産育食ラボvol.14 妊産婦のストレスが赤ちゃんの健康に影響する?<後編>

やはり大切なことはバランスの良い食事。
そして、昼夜の区別がついた生活。不眠気味なら、夜遅くまでモニターの明かりを見るのはNGです。
この基本的なことが不眠になった体を助けてくれるんですね。

マイナートラブルに悩んだり出産への恐れが頭をよぎる妊娠中や、出産後すぐにノンストップで始まる育児。
どちらも喜びもあるけれど、ストレスがあるのもまた事実です。

周りの人の手も借りながら、思うように進まない事には目をつむりながら、リラックスして過ごせると良いですね。

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